文學ラボ@東京

(文学をなにかと履き違えている)社会人サークルです。第22回文学フリマ東京では、ケ-21で参加します。一緒に本を作りたい方はsoycurd1あっとgmail.comかtwitter:@boonlab999まで(絶賛人員募集中)。

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2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

テーマ小説:「一行目に死体」(soy-curd)

彼の死因は窒息だった。死んでから十五年の間、彼の死を気に留める者は全く無く、彼はただ、無名の死体としてそこに存在していた。死体はこのように、ほとんど世間の関心と相容れないものだが、無論例外もある。例えば、ジャーマン・シェパードのブロンディ…

小説:一行目に死体(社会死人)

後悔(一行目に死体) 僕の前には一つの死体が転がっていた。「これは一体……」 異様な光景だった。だって僕の体、正確にはさっきまでの僕の体だったものが転がっているのだ。なんで死体だとわかったって? 僕がここにいるからに決まっている。人間は自分を鏡…

小説:カフェの中(森田さえ)

文學ラボの活動として、各自同じテーマで作品を作る、という試みをすることとなりました。 今回のテーマは『カフェの中』となっています。 カフェをテーマに小説を書く、ということですので、日常系の話が出てくるか、奇想系の話が出てくるか、今から非常に…

レビュー:舞城王太郎『スクールアタック・シンドローム』

短編集『みんな元気』から 「スクールアタック・シンドローム」、「我が家のトトロ」を抜粋し、描きおろし短編「ソマリア、サッチ・ア・スィートハート」を加えた構成でできているのが、この文庫『スクールアタック・シンドローム』です。舞城というとデビュ…

レビュー:『有頂天家族』森見登美彦

過去に久米田康治キャラデザでアニメ化もしている『有頂天家族』を読みました。簡単に言うと狸小説なのですが、一応パンツも出てくるので、パンツ小説でもあります。どういうことかと言いますと、数多出てくる狸の中で、「尻を齧られることが弱点」という狸…

テーマ「カフェの中」(社会死人)

物語が出来るとき ノートパソコンには、ひたすら文字が並んでいた。画面の光が目に当たる。そのつらつらと書かれたすべてが僕にとっての失敗だった。『どうしてあの人みたいな小説になってしまうんだろう』 心の中で呟いたものをそのままキーボードで打って…