文學ラボ@東京

(文学をなにかと履き違えている)社会人サークルです。第22回文学フリマ東京では、ケ-21で参加します。一緒に本を作りたい方はsoycurd1あっとgmail.comかtwitter:@boonlab999まで(絶賛人員募集中)。

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サークル活動としてテーマ創作『カフェの中』を行います

文學ラボの活動として、各自同じテーマで作品を作る、という試みをすることとなりました。

今回のテーマは『カフェの中』となっています。

カフェをテーマに小説を書く、ということですので、日常系の話が出てくるか、奇想系の話が出てくるか、今から非常に楽しみです。

問題なければ、今週末にでも池袋に集まり、作品を見せ合う予定です。

もしかしたら、次の冊子に掲載される作品となるかもしれません。 以上、よろしくお願いします。

小説系弱小サークルがイベント後の燃え尽き状態からいかに活動を継続していくかについて考えてみる

昨年の文学フリマに参加し、『実践 太宰治』という冊子を頒布していた文學ラボというサークルです。

小説や漫画のサークル運営をしている人は皆通る道なのかもしれませんが、前回参加において体力を使い尽くし、ほぼ活動と言える活動を行えていない状況です。

そこでなんとかこの状況を打破するため、いったん問題の洗い出しを行い、次の活動への布石とすることを決意いたしました。似たようなことを以前にも書いた気も若干しますが、以下、記事中にて問題を共有したいと思います。ご意見・ご感想等ありましたら、各位の得意とする方法(口頭など)にて情報を伝達いただけると嬉しいです。

1. 次のイベントまで特にやることがない問題

以下が文學ラボにおける2016年の年間計画です。

計画
1月 特に無し
2月 特に無し
3月 特に無し
4月 特に無し
5月 文学フリマ東京?
6月 特に無し
7月 特に無し
8月 特に無し
9月 特に無し
10月 特に無し
11月 文学フリマ東京?
12月 特に無し

見ればわかりますが、文学フリマという小説系同人イベントに参加する以外、 全く活動内容がありません。ぬるすぎです。サークル員が自分一人の場合には、単になにもしなければ良いので問題ないのですが、ときたまサークル参加希望の連絡がありますと、「(特にやることはないんだけど...)ぜひ参加お願いします!」となり、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。これではサークル員との連絡も(とくに連絡する内容もないので)疎遠になってしまいますし、なんのために社会人サークルを標榜しているのかもよくわからなくなってしまいます(正直、なんとなく名乗っています)。自然消滅の憂き目を避けるためにも、細かいことで良いのでなにかしら行っていきたいと考えています。

2. いかにして活動場所を確保するか問題

作業会を行いたいという話もあるのですが、東京にて作業場所を確保する手段をまだ煮詰めておりません。大学の学内サークルでしたら部室等が提供されることもあるかと思いますが、 特にそのようなプラットフォームをもたない一般人にて構成されるサークルにおいては、『居場所』を作ることは至難の業かと思われます。もちろんネット上にて交流を完結させることも可能だとは思いますが、そもそもわざわざ文章を紙に印刷するような欲求を持った人間が行っているサークルであるということもあり、できれば実際に顔を突き合わせて作業を行いたい気持ちもあります。都内にて良い場所を知っている方がおりましたら、教えていただけると幸いです。

3. なにをやっているサークルかよくわからない問題

なにをやっているサークルなのかよくわからなくては、なにをすれば良いかもわかりません。

このサークル、『小説』の載った『同人誌』を頒布しているのですが、小説自体がほぼノージャンルかつ、特集記事もどこに需要があるのかよくわからないものを書き散らしているため、いったいどんな人が興味を持つのかよくわかりません。そんな決め手に欠けるサークルのため、前回の文学フリマも『小説』『その他』というカテゴリの島にスペースをいただくこととなりました。 これでは本を売る際も、どう煽って売れば良いのか非常に困りますし、買うほうももっと困っていることと思います。

そこで、もはや本の内容にジャンル性を求めることを諦め、サークル自体に「なにをやっているサークルなのか」という特徴を出していくことが重要なのかもしれない、と最近は思っています。そうすれば客もサークル買いできるわけですし、こちらも『こっちはいつもどおりにやってるだけだ』と自負を持ちながら本を売れるため、WINWINの関係が築ける気がします。とは言いつつも、そんな特色があったらすでに同人界隈で台頭している気もするので、とりあえずは「本の表紙が○ライリーの表紙詐欺サークル」で覚えていだければ喜び極まります。

4.やる気がまったくでない・だせない問題

これは定期的な活動や目標がないことが原因であることが明白なのですが、「サークル活動をやるぞ!!!!!!!!」という気概が極たまにしか出ません(月イチ未満)。自分は一応社会人なので平日は労働に励んでいるのですが、土日は休みなため時間は十分にあります。それを利用して小説でも書けば良いのですが、なかなか重い腰が上がりません。これについては世の中が刺激に満ちた状態になり、生きているだけで小説を書く気が湧いてくる素敵な世界になることを待つばかりです。

5.アイディアの枯渇問題

普段から情報収集に励んでいれば起こりえないことなのかもしれませんが、正直次のイベントでなにをやろうかというアイディアが枯渇しております。これについては「じゃあわざわざイベント参加するなよ」という以上のなにものでもないのですが、せっかく二回連続で参加しておりますから、無気力による脱落は避けたい所です。

ところが、非常に喜ばしいことに、近頃文学ラボに参加希望の方から連絡がありました。 前述のような状況であり、次の文学フリマに出るかどうかも怪しいということで、 まずはその方にどんなことをしてみたいか意見を求めてみました。

以下、いただいたアイディア一覧です。

アイディア 付記
中高生だった頃をテーマにしたエッセイ・短編小説 ....
自分のお気に入りの小物に関するエッセイ、短編小説 ....
トリビュート・◯◯(太宰治など) 名作小説の設定を変えずに、小説の書き直しをする。短編。
インスピレーション 音楽の名盤を聴いて、沸き起こったイメージから小説を書く。
無機物の世界 語り手を無機物にして、小説を書く。ペン、時刻表、黒板消しなど。
わたしはかえる 蛙のように二回変身する人をテーマに小説を書く。
名画は語る 名画を観てそこから小説を作る。ドラクロワの民衆を導く女神、コローの真珠の女など。
末期的格差社会 NASAの予測によると人類は貧富の差が極限まで達して滅ぶようです。人類が滅ぶ前夜のお話を書く。
しょぼいサイキッカー 役に立たない超能力を役に立たせる小説を書く。
あなたの透明な部分 身体の一部だけが透明な人の話を書く。透明な部分は筆者の裁量で決める。
ミサイル 筆者の裁量でミサイルを何処かに落とします。その後の展開は好きに書く。
殺人鬼のきもち 殺人鬼のきもちを書く。
タバコ推進国 タバコを推進する話。
きみは美しい 文体、話の筋など、うつくしさを極限まで追求して、小説を書く。
いま、アイにいきます 愛する人に会いに、愛に生きるお話。
グレイテストヒッツ! おのおのが好きな作品のグレイテストヒッツを作る。コンピレーションアルバムのような。
雨のたより 雨の小説
日本ダービー 日本ダービーをテーマにした小説。
アイ・アム・ベジタリアン ベジタリアンの人をテーマに小説を書く。
・バック・トゥ 1900 1900年の世界各国をテーマに小説を書く。年号はいつでもいい。
10次元の世界 残りの6次元の世界を好きに想像して小説を書きます。
強迫神経症ナルコレプシーについて 登場人物にこの病気の、ひとを出演させる。
10年監禁された男 漫画オールドボーイの設定。なぜ男は10年監禁されたのかを小説にする。
カフェの中 カフェをテーマに小説を書く。
一行目に死体 一行目に死体を描写して、あとは好きに書く。

... というふうに、すさまじく大量のアイディアをいただきまして、これはなんとかしなければいけない、 という心持ちです。なにかしらやる感が出てきました。なにかしらやると思います。

おわりに

以上、小説系弱小サークルがイベント後の燃え尽き状態からいかに活動を継続していくかについて考えてみた結果でした。この内容が皆様方の問題解決に少しでも寄与しましたら幸いです。以上、宜しくお願いいたします。

掌編「猿」

 私はブログを生業としていて、ページビューを稼がないことには、日々の食事にも困ることになる。そこでいつもいつも、話の種を探している。人が聞きたがるものに限る。そこで、人が好む話の傾向をつかむため、私はニュースアプリをよく用いた。傾向を知り、対策することが、己を助けるのだ。ところで今日は、何が原因なのかはわからないが、サルに関するニュースが上位を独占していた。サルだ。こんなことは今までなかったことだ。それらのニュースの中でも、『ゴロウ、宇宙に行く』という見出しが目に止まった。私はサルに連絡を取り、その内容を記事にすることにした。インタビュー中のサルは、見事なまでに紳士的だったことをここに記しておく。インタビューが終わり、私は帰路についた。記事のタイトルは、人目を惹くように、あたかもサルが大変な、可哀想な目にあったかのような題、否応なしに人がサルの気持ちを想像してしまうようなものとした。実際に記事をアップすると、評判は上々で、大学の頃の友人や、両親までが私に電話をよこし、よくやった、よくやったと褒めそやした。それほどまでに彼の人生は読者を魅了する英雄性があったのだ。ブログのページビューは、打ち上げの当日まで右肩上がりに伸び続け、本番のその日、さらに前日の百倍のアクセスを記録した。この記録は、私の人生の中でも最高のものとなった。それから半年のあいだ、その記事は私のブログの過半数のアクセスを担い続け、その後ある程度失速、一日千から二千の間で下げ止まった。それらの数値は、以後宇宙船の打ち上げがあるごとに連動して上がり、ほとぼりが冷めるとまた下がった。アフィリエイトでは宇宙船の模型が一日に二、三個売れていた。


 その腹ばいの線は、ほとんど永遠に地につかないものとも思われたが、二十五年が経ち、私の娘が成人するころには、数十アクセス程になってしまっていた。ここまで見守っていると、いつかゼロになってしまう日が来るのではと、私は気が気でならない。今はこの記事は私の懐を温めてくれることはないが、ある一つの期間、私や妻、子どもたちの生活を支えてくれたことは確かなのだった。私は毎夜、この数字を追うことをやめられなくなり、三九、八九、二五、一二、四七、とランダムに上下する波を見て、振れ幅に心を締め付けられた。最後の日、夜中まで粘って、ついにゼロという数字がモニタに刻まれる。私は天を仰ぐ。サルはまだ宙を廻っている。

謝辞

文フリを終え。 ご購入頂いた皆様がおっしゃった「表紙が気になった」「くっだらねえ」という言葉のそれぞれと、両隣のサークルの方々との交流で充実しました。 またどこかでお会いしましょう。それまでに小説中身買いも増えるといいな! 社会死人

謝辞

文学フリマにて本サークルに足を運びただいたかた、まことにありがとうございます。 三時頃には撤退してしまったため、『実践 太宰治』入手できなかった方もいらっしゃると思います。 もしぜひ手に入れたいという方がいらっしゃいましたら、個別に連絡いただくか、 次回参加(もしあれば)の際に再び足をお運びいただければと存じます。

(こちらが今回のブースの様子です)

新刊については表紙に釣られた来ていただいた方にはご好評いただき、 また、既刊である『実用どんぐりと山猫』はなんと完売をすることができました。非常に喜ばしい気持ちでいっぱいです。

文フリ終了後、さっそくエゴサーチいたしましたところ、

というツィートがございまして、「無頼リー!」という素晴らしい着眼をいただいているのですが、 残念ながら本書『実践 太宰治』執筆時には太宰治無頼派だということは完全に忘却していたため、 ただのBungaku + O'ReillyでB'Reillyだったことをここに陳謝させていただきます。

以上、今後共文學ラボを何卒宜しくお願いいたします。

文学フリマ東京に文學ラボとして出店中です!!!!

おかげさまで何部か売れています。

ちなみに現場ではこんな小説を鋭意作成中です。

文フリの二階に来てみたはよいが、どうも、緊急事態が起きた。私は二郎系のラーメンが好きなのだけれど、ついに、出店していた。一階のサークルは全て豚骨や、ネギ、その他たくさんの必要な素材があるようで、彼らは全ての食材を用いて、調理を行っていた。地獄だ。私は、彼らに憎しみを覚えた。その場でAmazonで調理器具を購入し、届け先を流通センターにした。あと三時間後には、二階もニンニクと油のにおいでいっぱいになるだろう。私は祈ることにした。麺が届くまで。

津軽の兄の家へ逃げ込もうとしたら、すでに津軽はなくなっていた。聞いた話によれば、津軽は自らが津軽であることに耐えられなくなり自壊してしまったようだった。兄はそのように電話で伝えてくれた。失礼ではあるが、それが世の中の仕組みである。もはや本州で唯一の土地であり、それが絶たれた今、私は移住するしかない。マダガスカル。そこがこの世界に残ることができる約束の島、カメレオンや、鳥や、獣たちが残る楽園である。私は兄に言う。「もう津軽が誇る伝統や文化は、外に持っていくしかありません。兄さんも、意地をはるのではなく、立つのです。今。なにを心残りがあるのですか」兄は言う。「雪が」
人の辛みを可視化できるようになっていながら、私たちはまだ辛さから逃げることができない。例えば犬、犬といえば楽天家という印象だったが、それはこの装置により偽りの楽天だということが明かされた。犬の言葉を聞くことはできない。だがその愚痴は、食事中に現れる数値により私達の目に見えるものになってしまった。私が買っている柴犬であるが、平常時の値は、90~130の間、しかし、食事中になると600程度まで跳ね上がる。これは私の出す飯がそれほど美味しくないことを示しているのだ。だがその辛みを無くすには、彼を説得し、もうこれ以上美味しいごはんなどないのだよと、目を見て離さないといけない。だが私はまだ彼と話す手段をもたない。彼以外の、全ての犬、あるいは猫、鳥たちは、信じられないほど大量の辛さを、私たちに見せつけ、幻滅させた。その数字の海の中で、トランペットを吹くことにしか、我々の喜びはない。

楽しい。