文學ラボ@東京

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レビュー:『有頂天家族』森見登美彦

過去に久米田康治キャラデザでアニメ化もしている『有頂天家族』を読みました。簡単に言うと狸小説なのですが、一応パンツも出てくるので、パンツ小説でもあります。どういうことかと言いますと、数多出てくる狸の中で、「尻を齧られることが弱点」という狸がおり、その狸が他の狸に尻を齧られないために鉄のパンツを履いてくるシーンがあるためです。尻に関しての作者の執着はこの上なく、最終章ではパンツを脱がして尻を八分割や十六分割にしようとします。このように、わけのわからない形で狸の尻に対して読者に尻への思いを馳せさせる筆力は、まさに森見にしか書けない境地です。山本周五郎賞を受賞している『夜は短し歩けよ乙女』でも、象の尻を出していた気がしますが、やはりこのようなこだわりが森見ファンタジーの一部を成しているのでしょう。お尻にこだわりのある方は必見の小説です。

 

 

 

 

 

 

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

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有頂天家族 二代目の帰朝

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