よどみなく変わる憧憬

風景が次々に変わっていく。典型的な都会のビル群から、トンネルと少しの光、森や畑へ。そのすべてをぼくは眺めていた。まるで旧くから付き合いのある本を読んでいるかのようだ。ああ、確か小学校のときに『トロッコ』を読んだっけ。あの主人公はトロッコを押していた、まさにその気持ちを体験しているんだ。ほおづえをつ…