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文學ラボ@東京

(文学をなにかと履き違えている)社会人サークルです。第22回文学フリマ東京では、ケ-21で参加します。一緒に本を作りたい方はsoycurd1あっとgmail.comかtwitter:@boonlab999まで(絶賛人員募集中)。

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テーマ小説:「時間の流れ」(soy-curd)

Youtubeに、"Me at the zoo"という動画が公開されていた。一人の若い男性が、カメラの前で、身振り手振りを交えながらなにかを説明している。背景には二頭の象がおり、両者とも画面に対して左を向いている。耳の形から、いずれもアフリカゾウであると特定で…

テーマ小説:「一行目に死体」(森田さえ)

メンバー全員が同じテーマで小説を書いています。今回のテーマは「一行目に死体」です。 あることの罪(テーマ:一行目に死体) 森田さえ ワカバくんを殺した。 ワカバくんというのは私の実家近くにあった大きいスーパー『ひなげし屋』のマスコットキャラク…

テーマ小説:「一行目に死体」(soy-curd)

彼の死因は窒息だった。死んでから十五年の間、彼の死を気に留める者は全く無く、彼はただ、無名の死体としてそこに存在していた。死体はこのように、ほとんど世間の関心と相容れないものだが、無論例外もある。例えば、ジャーマン・シェパードのブロンディ…

小説:一行目に死体(社会死人)

後悔(一行目に死体) 僕の前には一つの死体が転がっていた。「これは一体……」 異様な光景だった。だって僕の体、正確にはさっきまでの僕の体だったものが転がっているのだ。なんで死体だとわかったって? 僕がここにいるからに決まっている。人間は自分を鏡…

小説:カフェの中(森田さえ)

文學ラボの活動として、各自同じテーマで作品を作る、という試みをすることとなりました。 今回のテーマは『カフェの中』となっています。 カフェをテーマに小説を書く、ということですので、日常系の話が出てくるか、奇想系の話が出てくるか、今から非常に…

テーマ創作『カフェの中』(soy-curd)

掌編「猿」

私はブログを生業としていて、ページビューを稼がないことには、日々の食事にも困ることになる。そこでいつもいつも、話の種を探している。人が聞きたがるものに限る。そこで、人が好む話の傾向をつかむため、私はニュースアプリをよく用いた。傾向を知り、…

太宰治トリビュート掌編『トカトントン』

トカトントンが流行って、もう一年程になる。トカトントンというのは幻聴の一種で、罹患している患者はいつも、なにかに熱中すると急に幻聴が起こり、やる気が減衰してしまう。原因は菌ともウイルスとも不明で、ただ代々木公園に行くと罹るという流言だけが…

太宰治トリビュート小説『グッド・バイ』

(急遽文学フリマで太宰治トリビュートをやるかもしれない雰囲気になったので、 太宰治トリビュート小説を以下に掲載します) ○ ○ ○

本日の小説

「猫を食べたことは残念ながらまだないが、猫に食べられそうになったことは一度だけある。あれは黒と薄灰色のぶち猫だった。確か首輪をつけていたな」 先生はそう言うと、恐怖のあまり、痩せた体をぶるっと震わせた。よっぽど恐ろしかったのだろう。呼吸も不…

よどみなく変わる憧憬

風景が次々に変わっていく。典型的な都会のビル群から、トンネルと少しの光、森や畑へ。そのすべてをぼくは眺めていた。まるで旧くから付き合いのある本を読んでいるかのようだ。ああ、確か小学校のときに『トロッコ』を読んだっけ。あの主人公はトロッコを…

本日の小説

人はまだ、保存されることに完全に慣れたわけではない。私などは、保存されたところでせいぜい誰に見られるでもなくただただ暗闇の中で眠りこけていれば良い。楽なものだ。隣の小島さんとは比べ物にならない。 小島さんはタクシーの女性ドライバーで、職業柄…

本日の小説

量子力学の講義の後、酒を無性に飲みたくなった。酒を飲むには、この講義棟のある山を、何らかの手段で降りなくてはならない。私の財布の中に、タクシーチケットが複数枚あるのは知っていた。しかし、それらは酒を飲んだ後、家に帰るのに確実に必要になる。…